「また腫れてる…でも落ち着いたからいいか」と繰り返していませんか

腫れが引くたびに後回しにしてきた理由
歯ぐきの腫れを「落ち着いたからひとまず大丈夫」と判断して受診を見送る背景には、痛みや腫れが自然に消えていくという体験の積み重ねがあります。腫れが引けば日常生活に支障はなくなるため、「次に悪化したときに考えよう」という判断は、忙しい生活の中では自然な流れかもしれません。
ただし、この「落ち着き」は炎症が消えたわけではなく、一時的に沈静化しているにすぎないことが多いとされています。腫れと落ち着きを繰り返すたびに、歯ぐきの奥にある組織への負荷は蓄積し続けます。「また腫れたら行こう」というサイクルが、結果として対処のタイミングを後ろへずらし続けることになります。
「体質だから仕方ない」と言われた経験が残す違和感
歯科医院で「体質的に歯ぐきが腫れやすい」と説明を受けたことがある方は、その言葉に納得しながらも、どこか釈然としない気持ちを持ち続けることがあります。「体質だから治らない」という説明は、裏を返せば「これ以上できることはない」という意味に聞こえ、患者さんの不安を解消するどころか、あきらめに向かわせてしまうことがあります。
実際には、繰り返す腫れの原因が体質ではなく、歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目にできる溝)内に残り続ける細菌の状態や、治療の進め方そのものにある場合も考えられます。「体質」という言葉がしっくりこないと感じているなら、その違和感はむしろ、現状の治療方針を見直す入口になり得ます。
繰り返す腫れが慢性化への入口になっているサイン
歯ぐきの腫れが何度も繰り返されている状態は、炎症が「急性から慢性へ」移行しつつあるサインである可能性があります。急性の炎症は激しい症状が出る一方で短期間で変化しますが、慢性炎症は自覚症状が乏しいまま、ゆっくりと組織へのダメージが進行する傾向があります。
「腫れては落ち着く」という繰り返しの期間が長くなるほど、歯を支える組織が少しずつ変化している可能性を否定できません。腫れが「また来た」という感覚に変わってきたとすれば、それ自体が治療の進め方を見直すタイミングを示している状態と言えるでしょう。同じ炎症が繰り返されているということは、その炎症を引き起こしている根本的な状況がまだ変わっていない、ということを意味しています。
歯ぐきが繰り返し腫れるのはなぜか——炎症の仕組みを知る

歯ぐきの腫れと細菌の関係:歯周ポケットで何が起きているか
歯ぐきが腫れる直接の引き金は、歯と歯肉の境目にある「歯周ポケット」と呼ばれる溝の中で増殖した細菌です。歯みがきで取り切れなかったプラーク(細菌の塊)が歯周ポケット内に蓄積すると、細菌が出す毒素に対して体の免疫細胞が反応し、炎症が引き起こされます。この免疫反応そのものが、腫れや出血として表れます。
歯周ポケットは健康な状態であれば深さ3mm以下ですが、炎症が繰り返されるにつれて徐々に深くなっていく性質があります。ポケットが深くなるほど内部が嫌気性環境(酸素が少ない状態)になり、より毒性の強い細菌が定着しやすくなります。腫れが「また出てきた」と感じるたびに、ポケット内の環境が悪化している可能性があります。
「一時的な改善」と「治癒」はまったく違う
腫れが引いた状態は「治癒」ではなく、炎症が一時的に落ち着いた「寛解」に近い状態です。歯周病における本当の治癒とは、歯周ポケットの深さが改善され、炎症の原因となる細菌の数が管理可能なレベルまで減少し、その状態が安定して維持されることを指します。薬で腫れが引いたとしても、ポケット内の細菌環境が変わっていなければ、同じ場所で炎症が再燃するのは避けられません。
「腫れが引いた=歯周病が良くなった」という感覚が、受診の中断につながるケースは少なくありません。しかし症状の消失と病態の改善は別のことです。炎症が繰り返すということは、原因が残ったまま体の反応だけが波のように繰り返されている状態と考えることができます。
慢性歯周炎が進行すると失われていくもの
炎症が長期にわたって続くと、歯を支えている歯槽骨(しそうこつ:歯の根を包むように存在する顎の骨)が少しずつ吸収されていきます。骨の吸収は痛みをほとんど伴わずに進行するため、自覚症状が出た段階ではすでに相当な変化が起きていることもあります。骨が減ると歯の支持力が弱まり、やがて歯のぐらつきとして現れます。
炎症が繰り返されるたびに骨の吸収が少しずつ積み重なるという点が、慢性歯周炎の本質的な怖さです。一回の炎症で失われる骨の量はわずかであっても、数年・数十年のスパンで見ると、歯を支える土台が大きく変化している場合があります。腫れては引くというサイクルを「いつものこと」と受け流すほど、回復に必要な治療の規模も変わってくる可能性があります。
薬で腫れが引いても再発する理由——根本原因が残り続ける構造

抗菌薬・消炎剤が対処できる範囲の限界
抗菌薬や消炎剤は「炎症の症状」を和らげる薬であり、歯周病の根本原因そのものを取り除く手段ではありません。薬を飲むと腫れや痛みが数日で落ち着くため、「治った」と感じるのは自然な反応です。しかし、歯周ポケット(歯と歯肉の境目にできた深い溝)の中に潜む細菌の集合体は、薬が届きにくい構造の中で生き続けます。
体内に吸収された抗菌薬は血流を通じて組織に届きますが、歯周ポケット内部の細菌が形成するバイオフィルム(後述)には、その濃度では十分な効果を発揮しにくいとされています。消炎剤も同様で、免疫反応による腫れを抑えることはできても、感染源を除去する作用はありません。腫れが繰り返す方の多くに、こうした「薬の限界」が関係しています。
歯周ポケット内の細菌バイオフィルムが再発を引き起こす仕組み
歯周病菌は単独で存在するのではなく、複数の菌種が層状に集まった「バイオフィルム」と呼ばれる膜構造を形成します。この構造は非常に安定しており、歯の表面や歯周ポケットの壁にしっかりと付着しています。薬液や免疫細胞が侵入しにくい防壁として機能するため、薬で症状が改善しても菌の集団そのものが消えるわけではありません。
バイオフィルムを崩すには、機械的な除去、つまり器具を使って直接かき取る処置が不可欠です。歯科医院で行うスケーリング(歯石・バイオフィルムの除去)やルートプレーニング(歯根面の清掃)がその代表です。薬物療法だけで繰り返す腫れが止まらないのは、除去されていないバイオフィルムが炎症の起点として残り続けているためと考えられます。
セルフケアだけでは届かない部位が存在する理由
毎日丁寧に歯を磨いているのに腫れが繰り返す、という状況には明確な理由があります。歯周ポケットが3ミリメートルを超えると、歯ブラシの毛先が物理的に届かない領域が生まれます。ポケットが4〜5ミリ以上になると、歯間ブラシやデンタルフロスを使っても、奥の細菌環境を改善することはほぼできません。
加えて、歯根の形状は複雑で、根と根の間に凹みや溝が存在することが多く、たとえ浅いポケットでも器具が届きにくい部位があります。こうした「構造的にセルフケアが届かない場所」が炎症の温床になり続けるため、どれほどホームケアを頑張っても改善が見込めないケースが出てきます。この事実を踏まえると、繰り返す腫れを「磨き方が悪いだけ」と結論づけるのは正確ではなく、ポケットの深さや清掃困難部位の評価が治療方針を左右します。
歯科医が「炎症の繰り返し」を評価するときに確認する3つの基準

歯周ポケットの深さと骨吸収の進行度をどう読むか
歯科医が繰り返す炎症を評価する際、最初に確認するのは歯周ポケット(歯と歯ぐきの境目にできる溝)の深さと、そこに隣接する骨がどの程度失われているかという2つの指標です。ポケットの深さはプローブと呼ばれる細い器具で実際に測定し、健康な状態では1〜2mm程度、3mm以下が正常の目安とされています。
4mm以上になると歯ブラシが届かない領域が生まれ、細菌の温床となりやすくなります。さらにCT撮影を組み合わせることで、レントゲンだけでは把握しにくい骨の立体的な吸収状態を確認できます。ポケットの深さと骨吸収の程度が一致しないケースもあり、両方の所見を照らし合わせることで、炎症がどの段階にあるかをより正確に判断することが可能です。
細菌検査で原因菌の種類と量を把握する意味
腫れが繰り返す背景に特定の歯周病原菌が関与しているかどうかを確かめるため、細菌検査が行われることがあります。歯周病を引き起こす細菌は複数の種類が知られており、なかでも組織破壊力が強いとされる菌が検出される場合、治療の進め方や使用する薬剤の選択に影響します。
青山一丁目麻布歯科では、オルコアという細菌検査を用いて口腔内の菌の種類と量を把握する取り組みを行っています。どの菌がどのくらい存在するかを数値で確認することで、「なぜ腫れが引かないのか」「なぜ繰り返すのか」という疑問に対して、感染源の観点から具体的な答えを導き出すことができます。検査の結果は、単に抗菌薬を処方するかどうかだけでなく、外科処置の適応判断にも参照される情報です。
磨き残し検査の数値が治療方針に直結する理由
口腔内の磨き残し(プラーク)の量を数値化する検査は、治療の効果を評価するだけでなく、次のステップへ進めるかどうかの判断基準にもなります。歯周外科治療への移行を検討する際、磨き残し検査の数値が一定以下にコントロールされていることが前提条件となる場合があります。
これは、外科処置でポケットを改善しても、その後のセルフケアが不十分であれば炎症が再発しやすいという臨床的な根拠に基づいています。「磨いているつもり」と実際の磨き残し量の間には大きな差があることが多く、染め出し液を使って可視化したうえで、専門家によるブラッシング指導を繰り返すことが、数値改善への近道となります。数値が目標ラインに到達することで、次の治療フェーズに進む判断が下りやすくなるという点で、この検査は治療スケジュール全体に直結しています。
慢性化した炎症に対して検討される治療の進め方

歯周基本治療から外科処置へ——段階的に進める治療の考え方
歯ぐきの腫れが繰り返す慢性的な歯周病に対する治療は、いきなり外科処置を行うのではなく、まず歯周基本治療から始め、経過を評価しながら段階を踏んで進めるのが一般的な考え方です。歯周基本治療では、スケーリング(歯石除去)やルートプレーニング(歯根面の清掃)を行い、炎症の源となる細菌の塊を取り除いていきます。
この段階でのブラッシング指導も欠かせません。どれだけ丁寧に歯石を取り除いても、日々のセルフケアによる菌の管理が追いつかなければ、炎症の再燃につながる場合があります。歯周基本治療を一定期間続けた後、歯周ポケットの深さや出血の有無を再評価し、その結果が次の治療方針を決める判断材料になります。基本治療の効果が限定的だった部位にのみ、外科的なアプローチが検討される流れです。
歯周外科治療が選択肢に上がる条件と適応の考え方
歯周外科治療が選択肢として浮かび上がるのは、歯周基本治療を経ても深いポケットが残り、器具が届かない部位に炎症が持続している場合です。歯肉を一時的に切開して歯根面を直視下で清掃する歯肉剥離掻爬手術(フラップ手術)は、器具が届かない部分の病巣を取り除くことを目的とします。
ただし、歯周外科治療には適応条件があります。抗血小板薬や抗凝固薬を服用している方、手術ができない持病がある方には不向きな場合があります。加えて、磨き残し検査の数値が一定基準を下回っていない段階での外科処置は、術後の感染リスクを高める可能性があるとされています。「手術を受ければ治る」という単純な話ではなく、患者さん自身のセルフケアの習熟度も適応を判断する重要な軸のひとつです。外科処置の前提として、患者さんが日常的にプラークを管理できる状態にあることが求められます。
骨が失われている場合に歯周組織再生療法が検討されることがある理由
炎症の慢性化によって歯槽骨(しそうこつ:歯を支える骨)が吸収されている場合、骨欠損の形状によっては歯周組織再生療法が選択肢として検討されることがあります。再生療法は、失われた骨や歯根膜の回復を促す処置であり、フラップ手術と組み合わせて行われるのが一般的です。
再生療法で用いられる材料はいくつかあり、エムドゲインのようなタンパク質製剤のほか、人工骨や代用骨、コラーゲン膜、CGFフィブリンゲル(自己血由来の再生促進物質)などが状況に応じて使われることがあります。どの材料が適しているかは、骨欠損の深さや形態、患者さんの全身状態によって判断が変わります。再生療法はすべての骨欠損に適応できるわけではなく、骨欠損の形状が治療効果に大きく影響するため、CT画像などを用いた精密な評価が前提となります。
治療が「繰り返し」で終わらないために変えるべきこと

治療後のメインテナンス体制が再発を防ぐ鍵になる
歯周病治療が「腫れを繰り返す状態」から抜け出せない最大の理由の一つは、治療が一段落したあとのメインテナンス体制が十分に機能していないことにあります。歯周基本治療や外科処置によって炎症を抑えても、口腔内の細菌環境は日常的にリセットされるわけではありません。
歯周病菌を中心とする細菌のかたまり(バイオフィルム)は、治療後も一定の周期で再形成されます。専門的なクリーニングと自宅でのセルフケアを組み合わせ、定期的な間隔でポケットの深さや出血の有無を確認し続けることが、状態の維持につながります。この継続的な管理体制は「サポーティブペリオドンタルセラピー(歯周支持療法)」と呼ばれており、治療そのものと同等の意味を持つ段階と考えられています。
メインテナンスの間隔は、歯周組織の状態や患者さんのセルフケアの精度によって個人差があります。「治療が終わったから通院しなくていい」という認識が、再発のリスクを高める一因になることがあります。
歯周外科治療に適応しない条件を事前に把握しておく重要性
歯周外科治療は、歯周基本治療だけでは改善が見込めない深いポケットや骨の吸収に対して検討される選択肢ですが、誰にでも適応されるわけではありません。治療の進め方を見直す際には、外科処置に進めない条件を事前に把握しておくことが、治療計画の現実的な理解につながります。
磨き残し検査の数値が一定水準(目安として20%以下)を下回らない状態では、外科処置に進むことは適切ではないとされています。これは、術後の感染リスクや治癒の妨げになる可能性があるためです。抗血小板薬・抗凝固薬を服用している方、全身的な疾患のために外科的処置が困難な方についても、適応外となる場合があります。
こうした条件は「できない理由」ではなく、「安全に治療を進めるための前提条件」として理解するのが適切です。外科処置が適応と判断されるためには、患者さん自身のセルフケアの精度を高めるプロセスが先行することになります。
セカンドオピニオンを検討すべき3つのタイミング
現在の治療を受けながらも「本当にこの進め方でいいのだろうか」と感じ始めたとき、セカンドオピニオンは治療の方向性を確認するための有効な手段になり得ます。特に、以下の3つの状況に当てはまる場合は、別の歯科医師の見解を聞く選択肢を検討する価値があります。
1つ目は、薬の処方や応急処置を繰り返しているにもかかわらず、腫れや出血が何度も戻ってくる場合です。2つ目は、歯周ポケットの深さや骨の状態をX線や精密検査で確認した記憶がなく、検査に基づく治療計画の説明を受けていない場合。3つ目は、「体質だから」「年齢のせい」という説明を受けたものの、具体的な改善策の提示がなかった場合です。
セカンドオピニオンは現在の主治医への不満を前提とするものではなく、治療の選択肢や根拠を広い視野で確認するための行為です。歯周病専門の診療体制を持つ医院での評価を受けることで、現状の治療との比較や、次のステップを検討するための具体的な情報が得られる場合があります。
港区・麻布エリアで歯周病治療を選ぶときに確認したいポイント

歯周病専門医・専門歯科医師の在籍と診療体制
繰り返す歯ぐきの腫れに対して根本から向き合うためには、歯周病の専門的な知識と経験を持つ歯科医師が診療に関わっているかどうかが、医院選びの出発点になります。歯周病は単に歯ぐきを治療する疾患ではなく、骨の状態や細菌環境、患者さんのセルフケア習慣までを総合的に評価しながら進める治療です。
青山一丁目麻布歯科では、日本歯周病学会専門医・指導医の資格を持つ歯科医師が在籍し、歯周病治療を専門的に担当しています。日本歯周病学会専門医とは、学会が定める審査・研修を経て認定される資格であり、重度の症例や外科処置を含む対応において専門的な判断が行われる体制が整っています。「誰が診るか」という点が、治療結果を大きく左右することがあります。
精密検査から外科処置まで一貫して対応できる環境かどうか
慢性化した歯周病の治療では、歯周基本治療・精密検査・外科処置・術後メインテナンスという一連のプロセスを、同一の医院で完結できる環境が治療の継続性を支えます。途中で転院や紹介が必要になると、情報の引き継ぎが不完全になりやすく、治療が分断されるリスクが出てきます。
同院では、細菌検査(オルコア)によって原因菌の種類と量を把握したうえで治療方針を組み立て、必要に応じてフラップ手術や歯周組織再生療法といった外科的なアプローチにも対応しています。CT撮影による骨の状態確認や、CO2レーザーを用いた処置など、診断から処置までが院内で一貫して行われる体制は、状態が複雑な患者さんにとって治療の流れをスムーズにする要素の一つです。
「検査だけして外科は他院へ」という流れが生じにくい環境かどうか、最初に確認しておくことで、治療が途切れる心配を減らすことができます。
長期メインテナンスに通いやすい立地と診療時間帯
歯周病治療は、外科処置が終わった後もサポーティブペリオドンタルセラピー(定期的なメインテナンス)を継続することが、再発を抑えるうえで欠かせません。そのため、「治療のときだけ通える」ではなく、長期にわたって無理なく通院できる立地や診療時間帯かどうかが実際の通院継続率に影響します。
青山一丁目麻布歯科は、銀座線・半蔵門線・大江戸線が乗り入れる青山一丁目駅から徒歩1分の場所にあり、港区・麻布・赤坂周辺で働く方や在住の方にとってアクセスしやすい立地です。平日は19時半まで診療を行っており、土日祝も診療しているため、仕事の都合で平日昼間に時間を取りにくい方でも、定期的な来院スケジュールを組みやすい環境といえるでしょう。治療の効果は、治療後の通院習慣によっても大きく変わります。
よくあるご質問——繰り返す腫れと歯周病治療について

腫れが繰り返す場合、自然に治ることはありますか?
歯周病による腫れが繰り返している場合、自然に完治することはまずありません。腫れが引いたように見える状態は、炎症が「治癒」したのではなく、一時的に落ち着いているだけです。原因となる歯周ポケット内の細菌バイオフィルムが残っている限り、同じ部位で炎症が再燃するサイクルが続きます。
歯肉の腫れや出血は、体が感染に抵抗しているサインとも言えます。こうした炎症反応が長期間くり返されると、歯を支える骨(歯槽骨)への影響が蓄積していく可能性があります。「痛みが強くないから」「腫れが引いたから」という理由だけで経過観察を続けると、気づいたときには骨の減少が相当進んでいるというケースも珍しくありません。
繰り返す腫れは、身体が発しているアラートです。自然経過に期待するより、炎症の原因が何かを専門家に評価してもらうことが、歯の長期的な維持につながります。
歯周外科治療は痛みが強いですか?通院回数はどのくらいですか?
歯周外科治療への不安として、痛みへの心配はごく自然な反応です。処置は局所麻酔下で行われるため、術中に強い痛みを感じることは通常ありません。術後に数日間の鈍痛や腫れが生じることはありますが、痛み止めや抗菌薬で対応できる範囲のことが多いとされています。
通院回数については、治療の対象範囲や炎症の程度によって異なります。一般的には、歯周基本治療で状態を安定させた後に外科処置を検討する流れをとるため、基本治療のフェーズで数回、外科処置で1〜複数回、さらに術後の経過確認が加わります。また、歯周外科治療には適応の条件があり、磨き残し検査の数値や服用中の薬など、事前に確認が必要な事項もあります。
「怖いから」と先送りにする気持ちは理解できますが、手術を避け続けた結果として骨の減少が加速するケースもあります。まず現在の状態を正確に把握することが、治療方針を考える出発点になります。
他院で「体質だから」と言われたが、セカンドオピニオンは意味がありますか?
「体質だから仕方ない」という説明に違和感を覚えたまま通院を続けている方にとって、セカンドオピニオンは治療の方向性を見直す有効な機会になり得ます。歯周病の再発には、体質的な要因が関わる場合も確かにありますが、それだけが原因でないケースも少なくありません。プラーク除去の精度、歯周ポケットの管理状態、細菌叢の評価など、治療プロセスの見直しで状態が改善することがあります。
セカンドオピニオンを受けることは、現在かかっている医院を否定する行為ではありません。別の専門家が同じ診断を下せば、現在の方針に確信が持てます。反対に、異なる評価が得られれば、治療の選択肢が広がる可能性があります。「体質」という説明が腑に落ちないまま腫れを繰り返しているのであれば、一度異なる視点からの診断を求めることは合理的な選択です。
青山一丁目麻布歯科では、歯周病専門医(日本歯周病学会専門医・指導医)が在籍し、細菌検査や精密な歯周組織の評価をもとにした診療体制を整えています。現在の治療に疑問がある方も、まずは状態の確認からご相談いただける環境があります。
歯周病の慢性化が全身に及ぼす影響——口の中だけの問題ではない

歯周病と全身疾患の関係が明らかになってきた背景
歯周病が口腔内の感染症にとどまらず、全身の健康状態に影響を与えることは、1990年代以降の研究で広く認識されるようになりました。歯周ポケット内に棲みつく細菌やその毒素が、炎症を繰り返すうちに血流に乗って全身へ波及する可能性があるとされています。
こうした研究の蓄積を受け、歯周病は単なる歯ぐきの問題ではなく、全身疾患と相互に影響し合う慢性感染症として捉え直されています。歯ぐきの腫れを繰り返しながらも「歯科だけの話だから」と考えていた方には、この視点の転換が受診を判断するうえで重要になってくるかもしれません。
慢性炎症が続くことで高まるとされるリスク
歯周病による慢性的な炎症状態は、糖尿病・動脈硬化・誤嚥性肺炎・早産などとの関連が指摘されています。特に糖尿病との関係は双方向性があるとされており、血糖コントロールが不良の場合に歯周病が悪化しやすく、歯周病の炎症が持続することで血糖値の管理が難しくなる側面があると考えられています。
動脈硬化との関連については、歯周病菌の一部が血管壁に付着し、プラーク(血管内の脂質の蓄積)形成に関与する可能性が示唆されています。これらはいずれも「確実にこうなる」と断定できるものではなく、現時点では関連性が研究されている段階ですが、慢性炎症を長期間放置し続けることのリスクを考えるうえで、無視できない知見として蓄積されています。
口腔の健康管理が全身的な予防につながるという考え方
歯ぐきの炎症を繰り返している状態は、口腔内だけでなく全身の炎症負荷を高め続ける環境を作りかねません。歯周病の治療によって歯周ポケット内の細菌量が減少すると、全身への炎症性物質の流入も抑えられる方向に働くとされています。
「歯は痛くなければ後回し」という感覚は多くの方が持ちますが、慢性歯周炎は自覚症状が乏しいまま長期化する性質を持ちます。口腔内の環境を整えることが、歯を守ることと全身の健康管理を同時に進める取り組みになり得るという考え方は、現代の予防医療において広く共有されつつある視点です。定期的な口腔管理が、歯だけでなく体全体の状態に関わるという観点から、腫れの繰り返しを見直すきっかけにしていただければと思います。
腫れを繰り返しているなら、一度きちんと診てもらいませんか

この記事で確認できた重要な視点のまとめ
歯ぐきの腫れが繰り返す背景には、「一時的な症状の鎮静」と「炎症の根本的な解消」が別物であるという構造的な問題があります。薬で腫れが引いても、歯周ポケット内に残った細菌バイオフィルムが再び活動を始めれば、炎症は繰り返されます。
この記事では、歯周病が慢性化するメカニズム、段階的な治療の考え方、再発を防ぐためのメインテナンス体制、そして歯周外科治療や歯周組織再生療法が検討される条件まで、幅広い視点を整理してきました。「体質だから仕方ない」という言葉に疑問を感じていた方にとって、治療の進め方を変えることで状況が変わりうるという可能性が伝わっていれば幸いです。
繰り返す腫れを「また同じか」と受け流すのではなく、今の状態を正確に把握することが、歯を長く守るための出発点になります。
青山一丁目麻布歯科の歯周病治療に対する診療姿勢
青山一丁目麻布歯科では、「歯周病治療を専門に行う」という診療方針のもと、歯周基本治療からフラップ手術などの歯周外科治療、歯周組織再生療法まで、一貫した治療体制を整えています。担当する歯科医師は日本歯周病学会専門医・指導医の資格を持ち、米国歯周病学会にも所属するなど、専門的な知識と経験に裏打ちされた診療を提供しています。
細菌検査(オルコア)を用いた原因菌の把握や、磨き残し検査による患者さんのセルフケア状況の確認など、治療方針を決める前の評価にも力を入れています。治療が完了した後も、サポーティブペリオドンタルセラピー(歯周治療後の定期管理)による継続的なメインテナンスで、再発しにくい口腔環境を維持することを目指しています。
「治療を受けたのにまた腫れた」という経験を持つ患者さんに対し、現状の評価から丁寧に向き合う診療姿勢を大切にしています。
慢性化が心配な方・セカンドオピニオンを検討する方へ
歯ぐきの腫れを繰り返してきた方、他院で「体質だから」と言われてきた方は、一度現在の歯周組織の状態を正確に評価してもらうことを選択肢に入れてみてください。歯周ポケットの深さ、骨吸収の進行度、細菌の種類と量を把握することで、これまでの治療で何が足りなかったのかが見えてくることがあります。
青山一丁目麻布歯科は、青山一丁目駅から徒歩1分という立地で、平日夜間や土日祝にも対応しています。通院の負担を減らしながら、継続的な治療やメインテナンスに取り組みやすい環境を整えています。セカンドオピニオンとしての相談にも対応していますので、現在の状況に疑問や不安を感じている方は、気軽にご相談ください。
監修:青山一丁目 麻布歯科
所在地〒:東京都港区赤坂8-5-32 田中駒ビル1F
電話番号☎:03-6434-9877
*監修者
青山一丁目 麻布歯科
ドクター 安達 英一
*出身大学
日本大学歯学部
*経歴
・日本大学歯学部付属歯科病院 勤務
・東京都式根島歯科診療所 勤務
・長崎県澤本歯科医院 勤務
・医療法人社団東杏会丸ビル歯科 勤務
・愛育クリニック麻布歯科ユニット 開設
・愛育幼稚園 校医
・愛育養護学校 校医
・青山一丁目麻布歯科 開設
・区立西麻布保育園 園医
*所属
・日本歯科医師会
・東京都歯科医師会
・東京都港区麻布赤坂歯科医師会
・日本歯周病学会
・日本小児歯科学会
・日本歯科審美学会
・日本口腔インプラント学会
投稿日:2026年7月2日