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「薬のせいだから仕方ない」と諦めていませんか

歯ぐきが膨らみ、歯が短く見える違和感
歯ぐきがぶよぶよと盛り上がり、歯が短く埋まって見える状態は、歯ぐきの組織そのものが増えている可能性があります。医学的には薬剤性歯肉増殖(服用中の薬の影響で歯ぐきの線維成分が過剰に増える状態)と呼ばれ、降圧剤をはじめとした一部の薬で報告されてきました。
変化は前歯の歯と歯のあいだから始まることが多く、三角形の歯ぐきが丸く膨らんで歯の面に覆いかぶさっていきます。鏡を見て「以前より歯が小さくなった気がする」と感じる方は、歯そのものが縮んだのではなく、周囲の歯ぐきが厚みを増して見え方が変わったと考えられます。
厄介なのは、この膨らみが痛みを伴わずに進むという点です。日々わずかずつ形が変わるため、写真を見返して初めて違いに気づくケースも少なくありません。増殖した部分は歯ブラシの毛先が届きにくく、その内側に汚れが溜まりやすい環境ができあがります。
痛みは弱いのに、磨くたび血がにじむ
痛みがないのに出血だけが続くのは、歯ぐきの内側で炎症が静かに続いているサインと考えられます。歯周組織の炎症は痛覚として現れにくく、代わりに毛細血管がもろくなり、軽い刺激でも出血する状態になります。歯磨きのたびに洗面台に赤いものがにじむのは、その表れという見方ができます。
「痛くないから急ぐ必要はない」と判断してしまう方は多いのではないでしょうか。むしろ、腫れて厚みを増した歯ぐきは歯周ポケット(歯と歯ぐきのすき間)を深く見せ、内部の細菌が排出されにくい構造をつくります。出血は、その奥で細菌と免疫が反応し続けている状況を外側に伝えている情報です。
出血の量よりも注目したいのは、その広がり方です。特定の1本だけから出るのか、上下の複数箇所から均等ににじむのかによって、原因の見立てが変わってきます。ご自身で観察する際は、どの部位でいつ血が出るかを記録しておくと、診察時の判断材料として役立ちます。
内科と歯科、どちらに聞けばいいのか迷う
服薬中の歯ぐきの腫れは、まず歯科で口の中の状態を評価し、その結果を内科と共有する順番が現実的です。薬の変更や減量は血圧管理そのものに関わるため、歯科医師が単独で判断できる領域ではありません。一方で、歯ぐきの中で何が起きているかは、歯周精密検査やレントゲンによる評価を経なければ内科の主治医にも見えない情報です。
「薬の副作用なら内科に相談すべきでは」と考えて受診を先送りにする方もいらっしゃいます。ただ、薬の影響で歯ぐきが膨らんでいる場合でも、その内部で歯周病が同時に進んでいるかどうかは口の中を診なければ判別できません。骨がどの程度残っているかという情報は、内科での問診では得られない部分です。
港区や麻布周辺で仕事の合間に受診先を探している方にとって、どちらから動くかの迷いは受診の遅れに直結します。歯科での検査結果とお薬手帳の内容を突き合わせることで、内科の主治医に相談すべき具体的な論点がはっきりします。
飲んでいる薬で歯ぐきが腫れることがある理由

薬剤性歯肉増殖が知られている薬の種類
歯ぐきの膨らみを起こしうる薬として、これまでの報告で挙げられてきたのは主に3系統です。血圧を下げるカルシウム拮抗薬、てんかんの治療に用いられる抗けいれん薬、臓器移植などで使われる免疫抑制薬が代表とされています。いずれも歯とは無関係な目的で処方される薬であるため、歯ぐきの変化と結びつけて考える方は多くありません。
降圧剤と歯ぐきの関係は歯科では以前から知られているものの、内科の診察室で説明を受ける機会はそう多くないのが実情でしょう。「歯ぐきが腫れるなんて聞いていない」と感じるのは自然なことです。
ここで押さえておきたいのは、同じ薬を飲んでいても全員に変化が出るわけではないという点です。体質差に加え、歯ぐきに炎症があるかどうかが現れ方を左右すると考えられており、そこに歯周病との接点が生まれます。
カルシウム拮抗薬と歯ぐきの関係
カルシウム拮抗薬で歯ぐきが膨らむのは、薬そのものが歯ぐきを傷めるからではなく、歯ぐきの中で線維をつくる細胞のはたらきが変化するためと考えられています。歯ぐきのコラーゲンなどの線維成分が分解されにくくなり、結果として組織の量が増えていく、という説明が有力です。
注目したいのは、増殖が起きやすいのは歯と歯の間の三角形の部分、つまりプラーク(歯の表面につく細菌のかたまり)が残りやすい場所から始まる傾向があることです。同じ薬を服用していても、口の中が清潔に保たれている方では変化が目立ちにくいという見方があります。
つまり薬剤性歯肉増殖は、薬の作用と細菌による炎症が重なったときに表面化しやすい現象と言えるでしょう。腫れた歯ぐきの下で何が起きているかは、見た目だけでは判断できません。
服用開始から変化が出るまでの時間差
歯ぐきの膨らみは服薬を始めた翌日に現れるものではなく、数か月ほどの経過をたどって少しずつ形が変わっていくのが一般的です。この時間差があるため、「薬を飲み始めた頃から」という記憶と目の前の症状が結びつきにくく、受診が先延ばしになりやすい面があります。
変化はまず歯と歯の間の歯ぐきが丸みを帯びるところから始まり、やがて歯の表面を覆うように広がっていくことがあります。歯が短く埋まって見える、歯ブラシが歯の根元に当たりにくい、といった感覚は、この段階に入っているサインの一つと考えられます。
この間、歯ぐきの内側では歯周ポケットが深くなり、清掃しにくい環境が続いている可能性があります。港区や麻布周辺で仕事に追われる中、鏡で気づいた時点の写真を残しておくと、後の診察で変化の速さを共有する材料になります。
薬による腫れと歯周病の腫れ、見分けの手がかり

増殖した歯ぐきは硬く盛り上がりやすい
薬剤性歯肉増殖による腫れは、歯と歯の間の三角形の部分から丸く盛り上がり、指で押しても弾力があって硬めに感じられるのが特徴とされています。色調は比較的うすいピンク色を保つことが多く、見た目には健康な歯ぐきに近い印象を与えることもあります。
盛り上がった歯ぐきが歯の表面を覆っていくため、「歯が短くなった」「歯が歯ぐきに埋まって見える」と感じる方が少なくありません。前歯の見え方が変わったことで気づく方もいらっしゃいます。
一方、細菌の炎症による腫れは、赤みが強く、ぶよぶよと柔らかい触感になりやすい傾向があります。ただし鏡で見ただけで両者を切り分けるのは難しく、色や硬さの印象は口の中の場所によっても変わります。硬さの違いは診断の手がかりの1つに過ぎない、という位置づけで捉えておくと安全です。
出血・口臭・ぐらつきは歯周病寄りのサイン
歯磨きのたびに血がにじむ、朝起きたときに口の中がねばつく、噛んだときに歯が浮くように感じる。こうした症状は、薬の影響だけでは説明しにくく、細菌による炎症が関与している可能性を示すサインと考えられます。
薬剤性歯肉増殖そのものは、線維成分が増えて歯ぐきのボリュームが増す変化であり、それ単独では強い出血や口臭を生みにくいとされています。出血が続く背景には、歯周ポケットの内側で炎症が起きている状態が隠れていることがあります。
歯のぐらつきは、さらに一歩進んだ変化を示す所見です。歯を支える骨が減ってくると、支持を失った歯が動きはじめます。「痛くないから軽症だろう」と考えてしまいがちですが、歯周病は痛みのサインが出にくい性質を持ちます。出血・ねばつき・動揺のうち複数が重なっている場合は、腫れの原因を薬だけに帰さず、歯ぐきの内部を検査で確かめる段階に来ていると言えるでしょう。
実際は両方が重なっているケースが多い
降圧剤による歯ぐきの変化と歯周病は、どちらか一方ではなく併存している状態で見つかることが少なくありません。薬の影響で歯ぐきが厚みを増すと、歯とのすき間が深くなり、歯ブラシの毛先が届かない領域が広がります。そこにプラークがたまることで、細菌性の炎症が上乗せされていきます。
逆の順序もあります。もともと磨き残しが多い部位ほど、薬の影響による増殖が現れやすいことが知られており、清掃状態が変化の程度を左右する要因の1つと考えられています。つまり両者は互いを助長し合う関係にあります。
「薬のせいなのか、歯周病なのか」という二者択一で悩む必要はありません。むしろ両方が同時に進んでいる前提で、どちらの要素がどの程度関与しているかを検査で切り分けていくほうが、その後の治療方針は立てやすくなります。港区や麻布周辺で働きながら通院する方にとっても、原因の内訳が見えることで通院回数の見通しが立ちやすくなる点は、実務的な利点と言えます。
歯科医が服薬中の歯ぐきの腫れで確認していること

歯周ポケットの深さと出血の広がり方
服薬中の方の歯ぐきの腫れを診るとき、最初に手がかりになるのは歯周ポケットの深さと、そこから出血が起きる部位の分布です。1本の歯につき6か所を測定し、数値を並べて比べます。歯ぐきが膨らんで見かけ上ポケットが深くなっているだけなのか、歯を支える組織そのものが失われて深くなっているのかは、この記録がなければ区別がつきません。
出血の広がり方にも意味があります。前歯の外側だけに集中しているのか、奥歯を含めて口全体に散らばっているのかで、炎症の主因の見当が変わってきます。腫れているのに痛みが弱く、歯磨きのときだけ血がにじむという状態は、内側で炎症が続いているサインとして読み取ることが少なくありません。
膿が出るか、ポケットの底が歯石でざらつくかといった触感も、その場で確認していく項目です。
レントゲン・歯科用CTで見る骨吸収の程度
歯ぐきの見た目だけでは、その下で骨がどれだけ残っているかは判断できません。ここを確かめるために、レントゲン撮影を行います。歯を支える骨(歯槽骨)の高さが本来の位置からどこまで下がっているか、水平に減っているのか一部だけ深くえぐれているのかを、画像上で読み取っていきます。
重度歯周病の骨吸収では、歯根の半分以上まで骨が失われていることもあります。当院では歯科用CTを用いた立体的な把握も行っており、平面のレントゲンでは重なって見えにくい骨の欠損の形や、根と根の分かれ目の状態を確認する際に役立ちます。
「腫れは薬のせいだと思っていたのに、骨が減っていると言われて驚いた」と感じる方もいらっしゃいます。骨の変化は元の高さに自然に戻ることが期待しにくいため、現時点の残存量を数値と画像で共有することが、治療方針を決める出発点になります。
服薬内容・全身状態とプラーク量の照合
診断の精度を左右するのは、服用中の薬の情報と口の中の汚れの量を突き合わせる作業です。降圧剤をいつから飲み始めたのか、その時期と歯ぐきの変化が現れた時期が重なるかどうかは、薬剤性歯肉増殖を疑う際の重要な材料になります。薬の名前だけでなく、種類や用量の変更歴まで分かると判断が進みやすくなります。
同時に、プラークがどの程度残っているかを染め出しなどで数値化します。薬の影響が背景にあっても、歯ぐきの腫れの程度は口の中の清掃状態に大きく左右されることが知られています。汚れが多い部位ほど膨らみが強いという傾向が見えれば、清掃の改善で変化が期待できる範囲を見積もることができます。
血圧の推移や他の持病、喫煙の有無といった全身の背景も合わせて伺います。これらは炎症の治まり方や、外科的な処置を検討できるかどうかにも関わってくる情報です。
腫れの奥で骨が溶けていた場合に起きること

重度歯周病で骨吸収が進むとどうなるか
歯を支える骨が失われた分だけ、歯は「支えのない杭」に近い状態へ変わっていきます。歯槽骨(歯を支える骨)が歯根の半分以上まで減ると、噛む力を受け止める面積が足りなくなり、硬いものを噛んだときに歯が沈み込むような感覚が出ることがあります。
骨が減っても歯ぐきが膨らんでいると、見た目には歯がしっかり埋まっているように映ります。この状態では、ぐらつきが出るまで自分では変化に気づきにくいという性質があります。
重度歯周病の骨吸収は左右対称に起こるとは限りません。特定の1本だけ深く落ち込む形で進むこともあり、そこから隣の歯へ炎症が広がる形をとる場合もあります。歯を1本ずつ個別に評価しなければ、どこが危うい状態なのかは判断できないという見方ができます。
増殖した歯ぐきが汚れをためこむ悪循環
薬剤性歯肉増殖でふくらんだ歯ぐきは、それ自体が汚れの隠れ場所になります。歯と歯ぐきの境目が本来より上に持ち上がるため、歯ブラシの毛先が歯の表面に届かず、プラークが取り残されやすい形状になってしまうのです。
残ったプラークは歯ぐきの炎症を強めます。炎症が続くと歯ぐきはさらに厚みを増し、歯周ポケットが深くなる方向へ動きます。深くなったポケットの底には酸素の少ない環境ができ、歯周病に関わる細菌が住みやすい条件がそろっていきます。
「毎日きちんと磨いているのに出血が止まらない」と感じる方が少なくないのは、この構造の問題があるためです。磨く力を強めても改善しないことが多く、歯ぐきの形そのものを評価しなければ、原因の切り分けは進みません。
歯を残せるかどうかを分ける境目
保存の可否を分ける最大の要素は、残っている骨の量と質、そしてお口の中を清潔に保てる環境が作れるかどうかです。骨の吸収が歯根の先端付近まで及び、歯が大きく動いている場合には、周囲の歯への影響を含めて方針を検討することになります。
一方、骨の減り方が歯根の中ほどまでで、支えが部分的に残っているケースでは、炎症を抑えたうえで歯周組織の回復を目指す道が残されていることがあります。重度に見えても、増殖した歯ぐきが実態を分かりにくくしているだけという場合もあるため、見た目の腫れだけで結論は出せません。
この境目を見極めるには、歯周ポケットの数値と骨の画像を突き合わせた評価が前提となります。青山一丁目麻布歯科では、港区・麻布周辺で服薬中の歯ぐきの変化にお悩みの患者さんについて、1本ごとの支持状態を確認したうえで方針をご相談しています。
服薬を続けたままでも進められる歯周治療

歯周基本治療とブラッシング指導から始める
降圧剤を飲み続けたままでも、歯周治療は開始できます。薬剤性歯肉増殖が疑われる場合でも、まず行うのは歯周基本治療です。歯と歯ぐきの境目や歯周ポケットの内側に入り込んだプラーク、硬くなった歯石を取り除き、炎症を起こしている原因そのものを減らしていきます。
薬の影響で膨らんだ歯ぐきは、汚れの量が増えると輪をかけて腫れやすくなることが知られています。逆に言えば、プラークを徹底的に減らすだけで、ぶよぶよした感触や出血が和らぐ場合があります。ここで欠かせないのがブラッシング指導です。
膨らんだ歯ぐきの縁は歯ブラシの毛先が当たりにくく、自己流のまま磨いても届いていないことが少なくありません。当院では歯ブラシの角度や歯間清掃具の選び方を、実際の歯ぐきの形に合わせてお伝えしています。磨き残しの数値が下がると、次の段階の治療方針も見えやすくなります。
改善が乏しいときに検討される外科的処置
基本治療を数か月続けても歯ぐきの膨らみが残る場合、外科的な処置が検討対象になります。線維成分が厚く増えた歯ぐきは、清掃だけでは元の形に戻りにくい性質があるためです。増えすぎた歯ぐきを整える歯肉切除術や、歯ぐきを一時的に開いて深い部分の汚染物を除去するフラップ手術が選択肢に入ります。
当院では歯周外科治療に対応していますが、誰にでも行えるわけではありません。抗血小板薬や抗凝固薬を服用中の方、手術が難しい持病がある方には適応しない判断となります。磨き残しの検査値が20%以下に下がらない段階でも実施しません。
「血圧の薬を飲んでいると手術は無理なのでは」と心配される方もいらっしゃいます。判断はお薬の種類と全身状態によって変わるため、服薬内容を確認したうえで、内科の主治医の見解も踏まえて可否を検討していきます。
骨の失われ方によって検討される選択肢
歯を支える骨がどのように失われたかで、その後の方針は分かれます。骨が水平に減っている場合と、歯の根の周りに縦穴のようなくぼみができている場合とでは、対応の考え方が異なるためです。前者では炎症を抑えて現状を保つ方向が中心となり、後者では失われた組織の回復を目指す治療が視野に入ります。
くぼみ状の骨欠損が限られた範囲にあり、歯の動揺が大きくないケースでは、歯周組織再生療法が検討されることがあります。当院ではエムドゲインや人工骨、コラーゲン膜などを用いた再生療法にも対応しています。
ただし再生療法は、すべての重度歯周病に適用できるものではありません。骨吸収が根の先端近くまで及んでいる歯では、無理に残すより周囲の歯を守る判断が優先される場面もあります。歯周精密検査と歯科用CTによる立体的な把握を経て、歯ごとに方針を分けて組み立てていきます。
内科と歯科をつなぐと治療はどう変わるか

薬の変更・減量は内科の判断が前提
降圧剤の種類変更や減量を決めるのは、処方している内科の医師です。歯科側から「歯ぐきが腫れているので薬をやめてください」とお伝えすることはありません。血圧のコントロールは全身の状態に直結するため、歯ぐきの見た目を理由に自己判断で服薬を中断することは、かえって大きなリスクにつながります。
歯科が行うのは、歯ぐきの状態を客観的な数値と画像で整理し、その情報を患者さんを通じて内科側に共有できる形にすることです。歯周ポケットの深さ、出血している部位の割合、歯槽骨の減り方、そして薬剤性歯肉増殖が疑われる所見の分布。こうした資料があると、内科医も「この腫れは薬剤の影響を考慮する余地があるか」を検討しやすくなります。
実際には、歯周治療でプラークを徹底的に減らすことで腫れが落ち着き、薬をそのまま続けられるケースも少なくありません。薬の変更を前提にせず、まず口の中でできることを尽くす順序が現実的だと言えるでしょう。
血圧管理と歯科治療の進め方の調整
血圧の数値と安定度によって、歯科治療の進め方は変わります。歯石を除去する歯周基本治療のような処置は多くの場合そのまま進められますが、歯ぐきを切開するような外科的な処置では、血圧の安定と服薬内容の確認が前提になります。特に血液をサラサラにする薬を併用している場合、出血のコントロールを含めた慎重な検討が必要になります。
治療当日の血圧は、緊張や痛みへの不安で普段より上がることがあります。麻酔の効きが不十分だと痛みで血圧が変動しやすくなるため、麻酔を十分に効かせることが結果的に全身への負担を減らす方向に働きます。当院では表面麻酔や電動麻酔、細い麻酔針を用い、痛みへの配慮を重ねた処置を行っています。
1回の治療時間を短く区切る、午前中に予約を取るといった調整も可能です。「血圧の薬を飲んでいると治療を断られるのでは」と心配される方がいますが、条件を整えて進める方法を一緒に考えるのが本来の流れです。
お薬手帳が診断の精度を上げる理由
お薬手帳を持参いただくと、歯ぐきの腫れの原因を切り分ける精度が大きく変わります。降圧剤にもいくつかの系統があり、歯ぐきへの影響が報告されているものと、そうでないものがあります。薬品名と用量、いつから飲み始めたかが分かれば、腫れが出てきた時期との前後関係を照らし合わせられます。
加えて、他の診療科から出ている薬の情報も判断材料になります。骨に関わる薬や免疫を抑える薬など、歯科の外科処置を計画するうえで事前に把握しておきたい薬もあります。「歯科に血圧の薬の話をする必要があるのか」と迷う方もいらっしゃいますが、口の中の所見だけでは見えない背景が、手帳の1ページから読み取れることがあります。
手帳が手元にない場合でも、処方箋の控えやスマートフォンの服薬アプリの画面で構いません。薬の情報が揃うことで、歯周精密検査の結果の解釈が「歯周病だけの問題か、薬の影響も重なっているか」という段階まで踏み込めるようになります。
「薬は変えられないの?」──よくある疑問への回答

薬をやめれば歯ぐきは元に戻る?
薬の変更や中止によって腫れが軽くなることはありますが、それだけで元の歯ぐきに戻るとは限りません。薬剤性歯肉増殖は、増殖した線維成分そのものが残るため、原因薬剤の影響が消えても膨らんだ形が自然に引くまでには時間がかかります。プラークによる炎症が重なっていれば、なおさら変化は乏しくなります。
戻り方を左右するのは、増殖の期間と歯ぐきの中の清掃状態です。膨らんだ部分の内側に汚れがたまり続けていると、線維の増殖と炎症が互いを支え合う形になり、薬の条件だけを変えても腫れが残ることがあります。
逆に、清掃状態が整った状態であれば、腫れの引き方が読み取りやすくなります。当院では歯周基本治療で炎症を落ち着かせたうえで、どこまでが薬の影響で、どこからが形として残った増殖なのかを見極めていきます。
治療にどれくらい通うことになるのか
通院回数は、歯ぐきの腫れの範囲と、歯を支える骨がどこまで失われているかで大きく変わります。歯周基本治療は歯ぐきの上と歯周ポケットの中の汚れを段階的に取り除いていくため、口の中をいくつかのブロックに分けて進めるのが一般的です。腫れが広い範囲に及ぶ場合、1回で終わることはまずありません。
基本治療が一巡した後には、歯ぐきの状態を再評価する検査を行います。ここで歯周ポケットの深さや出血の減り方を確認し、次の段階に進むか、メインテナンスへ移るかを判断していきます。
お仕事の都合で頻繁な通院が難しい方も少なくありません。当院は平日夜間と土日祝の診療を行っており、来院間隔が空きすぎないよう治療計画を組み立てることで、炎症が戻りにくい状態を保ちやすくなります。
血圧が高くても歯科治療は受けられる不安
血圧の薬を服用している方が歯科治療を受けられないわけではなく、多くは血圧の管理状況を確認しながら進めていきます。歯科治療では緊張や痛みで一時的に血圧が上がることがあるため、当日の数値や体調を踏まえて、処置の内容と時間を調整することが一般的です。
痛みへの不安が血圧上昇につながることもあるため、当院では表面麻酔や電動麻酔、33ゲージの細い麻酔針を用いて、麻酔時の刺激をできるだけ抑える配慮をしています。全室完全個室のため、周囲を気にせず体調の変化を伝えていただけます。
なお、歯ぐきを切開するような外科的処置については、血液をさらさらにする薬を服用している方や、持病の状態によっては適応とならない場合があります。服薬内容によって選べる治療の幅が変わるという点は、初回の相談時に確認しておきたいポイントです。
服薬中の歯ぐきの相談先を選ぶときの視点

歯周精密検査を最初に行う体制か
服薬中の歯ぐきの腫れを相談する際は、いきなり歯石取りに入るのではなく、最初に歯周精密検査を行う医院かどうかが一つの目安になります。薬剤性歯肉増殖と歯周病が重なっている場合、見た目の腫れだけでは炎症の広がりも骨の状態も判断できません。
歯周精密検査では、1本の歯につき数か所の歯周ポケットを測り、出血の有無や歯の動揺度まで記録します。この記録があると、治療前後で数値がどう変わったかを比較でき、腫れの原因が薬の影響寄りなのか、細菌による炎症寄りなのかを推測する材料になります。
「痛くないのに検査が長い」と感じる方もいらっしゃいますが、この初回のデータが後の治療方針を左右します。検査結果を数値やレントゲンで見せながら説明してくれるかどうかも、判断材料の一つと言えるでしょう。
重度の症例や外科処置まで診られるか
歯ぐきの増殖と骨吸収が同時に進んでいる場合、清掃だけでは形が戻らず、外科的な処置まで視野に入れた対応が必要になることがあります。相談先を選ぶ段階で、重度歯周病や歯周外科までカバーしているかを確認しておくと、途中で治療の行き先に迷いにくくなります。
当院では歯周基本治療からブラッシング指導、フラップ手術や歯肉切除術といった歯周外科治療、歯周組織再生療法まで対応しています。歯周病を専門に扱う歯科医師が在籍し、レントゲンや歯科用CTを用いて骨の減り方を立体的に確認したうえで方針を組み立てます。
ただし歯周外科治療は誰にでも適応するわけではありません。血液をさらさらにする薬を服用中の方、手術が難しい持病がある方、磨き残しの数値が基準まで下がらない方には行わない判断をします。この線引きを事前に説明する体制かどうかも見ておきたい点です。
港区・麻布周辺で通い続けられる条件
歯周治療は1回で終わる処置ではないため、生活動線のなかで無理なく通えるかが結果を大きく左右します。歯周基本治療は複数回に分けて進み、その後もメインテナンスが続きます。仕事の合間に立ち寄れない場所だと、途中で間隔が空き、せっかく落ち着いた炎症がぶり返すことにつながります。
青山一丁目麻布歯科は青山一丁目駅からすぐの立地にあり、港区や麻布周辺にお勤め・お住まいの方が通いやすい環境を整えています。平日は夜まで、土日祝も診療しているため、日中に予定を空けにくい方でも通院計画を立てやすくなっています。
診療室はすべて個室のため、服用中の薬や持病、内科での指示内容といった話も周囲を気にせず伝えられます。血圧の薬と歯ぐきの関係を相談するうえで、こうした落ち着いて話せる環境は、情報の伝え漏れを防ぐ役割も果たします。
薬のせいと片づける前に、歯ぐきの中を確かめませんか

この記事で押さえておきたい要点
降圧剤の服用中に歯ぐきが腫れぼったくなる場合、薬剤性歯肉増殖と歯周病が同時に進んでいる可能性を前提に考える必要があります。薬の影響だけであれば歯ぐきの形が変わるだけですが、そこにプラークによる炎症が加わると、歯周ポケットが深くなり、歯槽骨の吸収が静かに進むことがあります。
見た目の腫れの強さと、内部で起きている変化の程度は必ずしも一致しません。痛みが弱く、出血だけが続いている状態でも、レントゲンや歯科用CTで確認すると骨の減り方が想像以上だったというケースは珍しくないとされています。
だからこそ、判断の出発点は「原因の切り分け」ではなく「現状の把握」です。歯周ポケットの深さ、出血の広がり、骨の高さという3つの数値がそろって初めて、薬の影響と歯周病の影響をどの割合で見るべきかという議論が成り立ちます。
重度歯周病に向き合う当院の診療姿勢
青山一丁目麻布歯科では、歯周病治療を強みのひとつと位置づけ、歯周基本治療から外科的な処置まで段階的に対応しています。まず歯周精密検査で状態を数値化し、ブラッシング指導と歯石除去を軸とした歯周基本治療で炎症の総量を減らすところから始めるのが基本的な流れです。
それでも深いポケットが残る場合には、歯ぐきを一時的に開いて内部を清掃するフラップ手術や、増殖した歯ぐきの形を整える処置、骨の失われ方によっては歯周組織再生療法といった選択肢が検討されます。歯周病学会の専門医・指導医をはじめ、口腔外科や根管治療をそれぞれ専門とする歯科医師が在籍し、複数の視点から治療方針を組み立てられる体制を整えています。
全室完全個室のため、服薬内容や全身の状態といった、周囲に聞かれたくない話も落ち着いてお伝えいただけます。
服薬内容を伝えることから始まる相談
受診時にお持ちいただきたいのは、現在服用中の薬がわかるお薬手帳です。降圧剤の種類や開始時期がわかると、歯ぐきの変化との時間的な関係を照らし合わせやすくなり、検査結果の読み解き方が変わってきます。
「薬のことは内科の領域だから歯科では話しても仕方がない」と感じる方もいらっしゃいますが、実際には逆で、服薬情報は歯周治療の設計に直結します。血圧の管理状況によって処置の進め方を調整したり、必要に応じて内科の主治医と情報を共有しながら治療を進めたりする判断もここから始まります。
港区・青山一丁目・麻布周辺で、歯ぐきの腫れが薬によるものか歯周病によるものか判断がつかずお悩みの方は、一度当院にご相談ください。検査で得られた数値をご覧いただきながら、いま何が起きているのかを一緒に確認していきます。
監修:青山一丁目 麻布歯科
所在地〒:東京都港区赤坂8-5-32 田中駒ビル1F
電話番号☎:03-6434-9877
*監修者
青山一丁目 麻布歯科
ドクター 安達 英一
*出身大学
日本大学歯学部
*経歴
・日本大学歯学部付属歯科病院 勤務
・東京都式根島歯科診療所 勤務
・長崎県澤本歯科医院 勤務
・医療法人社団東杏会丸ビル歯科 勤務
・愛育クリニック麻布歯科ユニット 開設
・愛育幼稚園 校医
・愛育養護学校 校医
・青山一丁目麻布歯科 開設
・区立西麻布保育園 園医
*所属
・日本歯科医師会
・東京都歯科医師会
・東京都港区麻布赤坂歯科医師会
・日本歯周病学会
・日本小児歯科学会
・日本歯科審美学会
・日本口腔インプラント学会
投稿日:2026年8月27日